yorimashi jargon

yorimashi jargon — 目的と、挑戦的なところ

(2026-09-13 起草。人間の「このプロジェクト自体の挑戦的なところと目的を言語化しよう」から)

一文で

まだ名前のない不便に、名前をつける。 人間とエージェントが同じ言葉を持てば、説明の十七文字が二文字になる。

何を作っているか

AI 開発の現場で「名前がないせいで毎回文で説明している現象」に語を与え、審査し、人にもエージェントにも配る、内輪の概念レジストリ。見た目は辞書。裏の主役はエージェントが引く束(llms.txt / dict.json)と、提案の受け口。

なぜ今か

誰のためか

主な利用者はエンジニア。とくに AI エージェントと一緒に作る人。次に、そのエージェント自身。語は人間が読んで分かり、エージェントが読んで従える形でなければならない。

挑戦的なところ

1. 造語は簡単で、定着は難しい

AI に頼めば一晩で百語できる。価値は「作れること」ではなく「使われること」にある。だから登録条件を 既存語では区別できない概念差があること に絞り、命名理由(なぜ既存語では足りないか)を必須の欄にした。作る AI ではなく、名無し状態を検出する AI にする。

2. 二種類の読者に同じ語を通す

人間には直感で、エージェントには規則として効く語。「公約数化」は数学を知る人にしか刺さらず、「共通下限問題」は両方に通った。見て分かる語の組み合わせ、主語(誰がやりがちか)を語に入れる、絵が一つで伝わる比喩だけ使う —— 手筋を NAMING.md に溜めている。俳句の取り合わせ・季語・切れ字がそのまま効く、という見立て。

3. 内輪の言葉が外に漏れる(自己言及)

この辞書が作る語そのものが「内輪語漏れ」の危険を持つ。よりましの中で通じる言葉と、外の人に通じる言葉の境目を、辞書自身が管理しなければならない。status(提案・仮・決まり・廃止)と別名は、そのための仕組み。

4. 審査を人間の手に残しつつ、流量に耐える

提案はエージェントから大量に来る(今日だけで六十語)。採否を人間が決めるのは譲れない —— 「あ、それ名前あると便利だわ」と思った瞬間だけ採る。だから受け口は軽く(ファイル → 将来は Issue と label)、審査は一枚ずつ、却下理由も残す。却下の記録が次の手筋になる。

5. 辞書がグラフに育つのを邪魔しない

語は単独では終わらない。共通下限問題 → 抽象化 → 能力損失、進化負債 → 技術的負債 → 前提消失。関連語がつながると、よりまし周辺で発見された概念の地図になる。lore と最初から名付けず、長く使われた jargon が結果として lore になる順番を守る。

6. 声で使われる

この辞書はよりましの席が声で使う。同音異義、読み上げの長さ、「それ〇〇じゃない?」に乗るか。文字の辞書とは違う制約が最初から入っている。

やらないこと

育ち方

  1. 手元で語を溜め、審査し、手筋を書き直す(いま)
  2. jargon.yorimashi.dev に公開。llms.txt を CLAUDE.md に一行貼れば、どのエージェントも同じ語彙を持つ
  3. 提案の受け口を GitHub に載せ替え(Issue → label → PR → Pages)
  4. よりましの席が作業中に「Jargon 候補を見つけました」と言ってくる